第3話・いざ、銭函へ!?

 前回までのあらすじ
 バス出発早々にアクシデントで離脱したRYOとフェイと、小樽で合流した一行は当初の予定通りにオタモイへと向かった。過酷な道を超え、オタモイに到着した一行を待ち受けていたものは、辺り一面の岩場だった・・・。
 「ここで、泊まったら死ぬ!!」
 本能で悟った一行は、小樽駅までの敗走を決定し、速やかな撤退を開始したのであった・・・。

 暗くなる前に小樽駅に到着したい一行は、オタモイから急ぎ離れ、バス停まで戻ってきたが、一行の疲労の色は濃く、士気は低下する一方であった。
 みっつ 「とりあえず、小樽駅に戻って方針を決めるべ。」
 フェイ 「だけど、どこで泊まればいいのかな~?」
 RYO 「うるせ~!お前のセレクトが悪いんだろうが!」
 軽い口論になりかけたが、こんな僻地のバス停では情報がなさすぎるので、黙々とバスに乗り込み小樽駅へと戻った。この時に見た小樽の街並みの光景ほど虚しいものはなかった。本来ならば、翌日の帰宅途中に眺めるべき景色を僅か数時間後に目の当たりに使用とは夢にも思わなかった。
 そんな内に小樽駅に到着し、待合席で今後の事を話し合ったのだが、中々にまとまらない。このまま帰るという案は速攻で却下。当然である。このまま、おめおめと帰れるはずが無い。
 岩夫 「まず、問題なのは金銭的な問題だよね。」
 みっつ 「だろうね~。いちお、幾ら持ってるか一人一人、言ってみて。」
 バイトもしてない高校1年生の財布の中身などはタカが知れている。明らかに旅館などには泊まれない。そんな中でヨハンが、
 ヨハン 「こんな状況じゃ、ちびろば(登別のホテル・まほろばの子供用プラン)にも泊まれねぇよ!」
 と、毒を吐いた。地味に、この一言がツボだったみっつは一人で大爆笑していた。結局、意見としては海に行きたいというものが主流だったので、検討した結果、銭函にあるという海水浴場に行く事で意見を統一させた。
 みっつ 「じゃあ、JRに乗って行こうぜ~!」
 RYO 「ホント、やれやれだな。」
 なんだかんだでJRに乗り込んだ一行は、銭函へと一路向かった。だが、銭函駅で下車すると思っていたJRは快速だったので、銭函を通りすぎてしまったので、JRを乗り換えて戻ってくるなどのドタバタを繰り返し、遂に銭函に到着した。JRを降りると強い海の匂いを感じる事が出来た。
 ヨハン 「とりあえず、夕飯は買って行こうぜ。」
 RYO 「賛成~!腹減ったよ~。」
 そんな訳で、駅からすぐのセブンイレブンで夕飯を買ったのだが、みっつは妙に心惹かれた納豆巻きを選んだのだが、後に後悔する事になる・・・。
 そこから、しばらく歩いて、今度こそ正真正銘の砂浜へと到着した一行は歓喜したが、すでに日も落ちてしまっているので、泳ぐのは翌朝という事にして荷物を降ろした。
 岩夫 「だけど、レジャーシートとかがないと厳しいよね。」
 みっつ 「そうだね~。砂の上に寝るのは厳しいよ。」
 仕方なく、岩夫がワリカンという条件でレジャーシートを買ってきて、やっと一息吐くことが出来た。そして、夜がやって来た・・・。

 第3話をお贈りしましたが、いかがだったでしょうか?銭函で一泊する事を決定した一行が体験する砂浜の夜を描く、第4話「嵐の前夜」をお楽しみに~!

※この物語は事実を元に構成されたノンフィクションです。
           [総監督・原作・監修] 海ちゃん
           [脚本・シリーズ構成] みっつ
           [製作協力] RYO


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